公務員の給料を引き下げるという間違い
コロナ禍において民間並みと定められている公務員のボーナスが「0.05ヶ月減」と報じられました。これを「たった0.05ヶ月減」という意見が多いように感じます。確かに大手航空会社をはじめ、大企業のボーナスゼロや大幅カットが報じられる中、平等ではないように感じます。しかしこの解釈は実に狭い視点で経済を捉えており、危険な考え方だと考えます。
大事なのは経済を動いていること、つまりお金が回っていくことです。お金が回らなければ現在打撃を受けている航空業界や飲食業界を含め、様々な業界がますます打撃を受けるでしょう。むしろ公務員のお給料を上げ、いろいろな業界にお金を行き渡らせ、企業が儲かり、雇用が増え、お給料が上がるようにしていくことが大事ではないでしょうか?
特定の業界が儲けていないから公務員もお給料を下げるべきだというのは浅はかであり、その感情が先行すると負のスパイラルから抜け出せなくなるでしょう。
問題なのはひどい偏りがあること
少し話がずれますが、賃金の格差が広がっていることは周知の事実です。問題はここです。お金が有り余って使いきれない人がおり、強い企業は内部留保がどんどん増えていることです。政府の施策であるふるさと納税やGoToキャンペーンはお金をもっている人が優遇される制度ばかり。従業員は稼げてもせいぜい1000万円程度。それらの層からたっぷり税金を取られて、並の生活水準になりますが、その上のファイナンシャルリテラシーを持ち合わせる層はあらゆる手を使って税金の支払いを低減し、爆発的に資産を増やすことができます。
加えて日銀は際限なくお金を刷る始末。株価や仮想通貨が急騰しているのは、円をもっていても仕方がないという考えの結果でしょう。円の価値がなくなれば庶民は豊かな生活とはかけ離れてしまいます。円を上手く別の資産に変換できた富裕層は円の価値が下がったところで円を割安で手にし、悠々自適な生活を送ることができます。
公務員も含めた庶民の底上げが重要なのです。