直感を研ぎ澄ませる
理論で勝負するのか。直感に頼るのか。巨大企業に属していない限り、これからの時代は直感を大切にすることが生き残る術となります。
ビッグデータを収集するのは困難
現在は企業がビッグデータを収集、解析しピンポイントで商品やサービス提供することでロスをなくすことに躍起になっています。まずもってビッグデータを収集するためにはたくさんの顧客を囲い込むプラットフォームが必要で、GAFAをはじめとする大企業に今から追いつくのはもはや不可能に近いでしょう。その他の企業はデータを割り高な価格で購入するしか手立てはありません。
ビッグデータは本当に必要か
データはあるに越したことはありません。しかしあることで、デメリットも生まれてしまうことを理解する必要があります。
ビッグデータを解析すれば人々の傾向がわかります。しかし誰もが同等の手法で解析すれば、同じ結果が得られます。すると解析者は同じような結論に達してしまいます。つまりデータを所有している人たちが、同じ方向性で勝負をすることになってしまいます。勝者は規模が大きく、既存ユーザーを囲い込んでいて、広告にお金をかけることができる企業でしょう。ビッグデータを活用する場合は、ビッグデータを独占していなけれいけません。これができるのは一握りの大手企業でしょう。
よく例として日本が携帯や家電で世界に覇権を握られた事例が挙げられています。消費者の要望を集め同じように解析し、同じ方向の製品を作ってしまったからです。結果機能としては素晴らしいが、何か面白みのない製品がたくさん生まれました。日本自らがガラパゴスと皮肉り、世界に覇権を譲る結果となりました。
人間の直感を大切に
ビッグデータを用いた場合、デメリットがもう一つあります。結果的にうまくいった場合もそうでない場合も、何故そうなったのかという問いに対して、統計学的にデータがそう示したからとしか言えないことです。
人間の感覚は繊細です。直感で良いものは良いと判断できます。iPhoneがここまで市場に普及したのも、人が直感的に良いと感じるからに他なりません。良いと感じるものを愚直に作り込んだ結果なのです。情報がある程度平等に行き渡る現在は、人気が一極集中することになります。勝者と敗者がより明確になります。飲食などのサービス業を含め、この現象が至る所で起きています。
感覚を研ぎ澄まし、直感で良いものを提案することが、生き抜くために必要だと思います。