本は燃料のようなもの
自己啓発本は世にあふれています。成功者が人生を賭けて挑み、成功を手にした方法は、本を数千円で購入し、数時間かければ学ぶことができます。本はベストセラーになれば10万部以上売れるわけで、それ以上の人がその本を読んでいるはずです。それでは、その本を読んだ多くの人が成功しているのかといえばそんなことはありません。なぜ沢山の本を読んでもうまくいかないのか。それは著者と私たちの環境が違いすぎて再現出来ないからです。顔、体格、性格、考え方、生まれた場所、住んでいる場所、家族、人脈、資産、その全てが異なります。また、これまで歩んできた過去は変えることができないので、近づくことはできても同等の環境にすることは永久にできません。私はこの事に気づいているつもりでしたが、受け入れることができていませんでした。成功者の行動をまねても積み上がった過去があるため、同じ結果を手にすることはできないのです。本を読んでいると、困難がありつつも上手くいったことが書いてあります。誰でもこの困難はすっ飛ばして、成功する方法を体現しようとします。しかし、困難を乗り越えた経験がなければ困難を乗り越えることは難しいでしょう。困難を乗り越えて得たものと、困難をショートカットして得ようとしているものには雲泥の差があります。また、その困難は既知の困難であり、問題は解決済みであるので、得るものが少ない困難であると言えます。「自分の置かれている状況に合わせて自分なりの方法を見つけて解決していく以外に、成功を勝ち取ることはできない。」と考えるべきではないかと思います。
では本は役にたたないのかと言われると、そんなことはありません。成功までの道のりを車で目指すとすると、本はその車の燃料のような存在であるのではないでしょうか。もし道に迷って長い距離を走り、途中で燃料切れになって挫けそうになった時にも、本を読むことで勇気づけられ、モチベーションを持ち直すことができるのではないでしょうか。新たな燃料を補充して、また遠くまで走り続けることができます。本は成功に連れていってくれる飛行機でも車でもありません。あくまで成功までの道のりは自分で運転して走る必要があります。本はただの燃料。その途中途中で燃料を補いながらなが走り続けましょう。